第五回


(03年5月29日)

 
 

月日のたつのははやいものです。
ついこのあいだ、平成15年のお正月を迎えたと思ったら、いまはもう5月の末。
まもなく夏がきます。みなさん、いかがお過ごしですか? 
たからのほうは、会社での仕事がずーっと忙しかったです。
それでも、毎週土曜、日曜日のお休みを利用して、カタツムリの歩みのごとく、
好きな創作活動を続けてきました。
昨年は、6月に「盗まれたあした」(小峰書店・1400円)、
8月に「闇王の街」(アーティストハウス・1600円)を
出しました。「盗まれたあした」は、自分と顔・姿・形がそっくりの少年に自分
自身を乗っ取られてしまった10人の少年たちが、自分自身を奪い返すために
一致団結して闘うパラレルワールド素材の冒険物語です。「闇王の街」は、住宅街の
一角に不意に出現したあやしげな小鳥店をめぐって、少年2人と幼い少女が、
巨大な悪に立ち向かう、冒険ホラー物語です。

 今年は2月に、たくさんの書き手による短編集「平成うわさの怪談」シリーズ
(岩崎書店・全5巻・各1000円)の第4巻目「恐怖の人食い観覧車」が出て、
その中に「空にうかぶおばあちゃん」という短編をのせました。
このシリーズは、こわいもの大好きの子供たちに大人気で、
秋ごろにはシリーズの続編(全5巻)が出るそうです。
っていうか、そのために、たからも再び原稿を書きました。
「真夜中の墓場に帰るバス」(仮題)っていうんだけど、
こわそうでしょう。こわいよ。ひひひひひひ。

 去年の9月14日に、手乗りの桜文鳥「ちゅんちゅく」が死んでしまいました。
人間の年齢でいうと90歳くらいのよぼよぼおじいさんだったので、寿命と
いえば寿命だったのですが、やはりかわいそうでした。
わが家のお墓の土のなかに埋めました。いまのところ、まだ化けて出てきてはいません。
それで、「ちゅんちゅく」のお話を40枚ほどの短編にしました。その作品を含めて
9つのフカシギな短編集「落ちてきた時間」パロル舎・1500円)が、
このほど発売されました。
平成11年12月に「フカシギ系。(1)しゃべる犬」(ポプラ社・550円)で
デビューして以来、共著は別にして、通算6冊目の単行本になります。
どうぞよろしくお願いします。

 このあいだ村山さんが東京へやってきて、小峰書店の大編集者・Iさんと
3人でおひるごはんを食べました。児童書界の話などあれこれして、こちらも
(新聞記者としての)仕事柄いろいろ勉強になりました。村山さんが夏ごろ関東
に引っ越してくると、もっと頻繁に会えるようになるでしょう。
いまから楽しみです。
 あ、そうそう。まだ知らない人がいるでしょうからあらためて暴露しますと、
たからが勤めているのは産経新聞社です。
現在、編集局文化部という部署にいます。
産経新聞は、産経児童出版文化賞という由緒ある児童書の賞を主催していま
す。児童書の情報に関しては、ほかの新聞を圧倒しています。
毎週火曜日付け朝刊の生活面に絵本の情報を満載しているほか、毎週土曜日付け朝刊
読書面は「おかしな帽子屋」という児童書読み物専門の紙面が好評です。
産経新聞をとっていない人は、ひとまず毎週火曜日と土曜日、
お近くのコンビニか駅の売店にいって、一部(100円ぽっきりです!)
買ってみてください。

 ということで、今回はなんだか新聞の宣伝に力が入った内容になってしまいま
したが、写真の愛犬メルは毎日元気です。それではみなさん、また次回。
たからしげる、でした。 

たから先生の新刊、「落ちてきた時間」(bk1だとこんな感じ)
はですね、怖くてよかったですよ。
ふつうに暮らしていると見えない魔法の落とし穴がそこにあいているような、
曲がってはいけない曲がり角を曲がってしまったような、
そんなお話が九つでできています。
ある意味、とってもたから先生らしい本だといえるでしょう。

さて、ここで、たから先生から、素敵なプレゼントがあります。
この新刊「落ちてきた時間」(パロル舎刊1500円)を、三名の方にプレゼント。
当然、サイン入り! …ですよね? たから先生?
ご希望の方は、とりあえず私の方へメールを。
私から、たから先生にそのまま転送いたします。
締め切りは、六月十日。発表は、掲示板カフェかもめ亭及び紅茶の時間
で行います。当選者には、別に連絡が行くんじゃないかと思います。

ところで、たから先生、イタリアンなお昼、おいしかったです〜。
また新聞社に遊びに行きますね。
Iさんと三人でも、お話ししましょうね〜。

(村山早紀拝)