B:創作・技術


26:一人称と三人称

Q
  投稿用の小説を書いていて困ったことがあります。一人称と三人称どちらにするか? です。主要登場人物が3人なので視点展開があまりなく、一人称で展開しています。
  主人公一人称【俺】、男性。年齢27歳、呪術者という設定なのですが、……投稿用なのであまり詳しい設定はかけないのですが、一人称にすると描写が少なく台詞が多いという私の欠点が如実にどうもでるんです。
  台詞が説明的な台本みたいになるのも気になってます…設定とプロットを組んで書き始めてはいるのですが…このままでよいか迷っています。
  三人称にすると今度は同じような表現が多くなります、【言った】【笑った】【微笑んだ】【浮かんだ】他にもいろいろがありますが…一人称はこのような欠点はあまりでないようです。三人称にすると描写が少ないということはまだないようです。
  台詞は少し大めですが…一人称よりはましです。一応一人称で原稿用紙20枚くらい分はいったのでこのままでいこうかな? とは思っているのですが…。


A1
  とりあえず、一人称で全部書き上げてしまってから、あとで描写を足す、という手がありますよ。とりあえず、一人称のままで書き上げてみたらいかがでしょう?
  基本的に、小説は何度も書き直すものです。一度目(第一稿)で、完成稿になるなんてこと、私だってまず、ありませんよ(笑)。第一稿をあとから足したり削ったりして、素敵な作品に仕上げていくんです。お化粧するみたいにね。
  ルカさんみたいに初心者の場合は、完成させた作品の数をとにかく増やすことが一番大切だと思うので、エンドマークに行きつくまで、途中経過が少々気にくわなくても、一度書き上げてみた方がいいと思います。by 村山早紀

A2
  わたしは基本が短編童話で長編はまだひとつしか書き上げたことがありません。そのときに使った手が「一人称で会話を増やす」という書き方でした。一人称にすると三人称よりも文章のリズムが軽くなって会話が増えるような気がします。で、会話が増えると枚数も増えるという姑息な手で80枚以上という公募になんとか80枚ぎりぎりで出しました。(そして落ちましたが)
  一人称で書くときの描写は自分がその主人公になったときに見えてくる風景とそれへの思いでした。描写が少ないと感じたときに主人公の目で見えるものを書き足してみる、というのはどうでしょうか?by 椎名かえる

A3
  私の場合で恐縮ですが、一人称のときはキャラクターに感情移入しやすいようです。創作を始めた頃は、一人称のお話ばかり書いてました。今遅ればせながら、三人称で書く勉強中です(^^)
  たくさん本を読んで、お気に入りの描写や、ステキな表現を見つけると、ノートに書き込んでいってます。読み返すと、そのときの感動がよみがえって、楽しいですよ。by 機織牛

A4
  完成させてから、直してみるとか。二つのバージョンを創るとかがいいかもしれません。よく言ってることですが、とにかく完成させるのが大事だと思います。by 榎本秋

A5:
  まずは一人称と三人称の長所短所を今一度把握しなおし、その上で御作品ならびに御作風に合った方を選ばれてはいかがでしょうか。
  既に皆様の御意見にも両者についての御考察が出ており、一部に重複してしまう部分が出てしまいますが、敢えて概括致します。
  まず一人称ですが、この手法の利点は何といっても主人公の心情を徹底的に訴えかけられる点にあります。また、主人公の見聞した知識がそのまま読者へ受け渡される(語り継がれる)ため、御話の舞台や背景世界にすんなり入りこめるのも強みです。
  ただし、一人称はあくまでも主人公の視点でしか物事が進まないのです。このため他の登場人物の心情や、主人公のいない場所でおこった出来事が正確に伝わりにくいというジレンマがあります。また、御話の幅も狭くなりがちですし、主人公の価値観だけでその世界がデザインされてしまう危険性があります。
  これに対し、三人称の利点は、客観的で正確な記述・論述が可能な点にあります。出来映えがどうなるかは別個として、複数の主要登場人物をそれぞれ別々の空間や時間に登場させることも可能です。一人称でも、たとえば、「第○章は誰それが中心になる章です」とでも割り切れば可能ではありますが、少し難しいと思います。または、「私の聞いた話では、この○×という人物は、私のいないところでこれこれかような事をしていた」という伝聞型の方法もあるにはあるのですが、それをもって三人称と同等の効果を追求するのは無理があるような気がします。
  三人称の欠点は、脇役が主役を「食って」しまう恐れがあることです。一人称では主役の個性が少々弱くとも語り部や狂言回しといった役回りを与えれば比較的すんなり収まりますが、三人称ではそうもいきません。また、一人称では、極端な話、主役の知らないことは読者も知らないわけで、描写や説明もある程度簡略にできますが、三人称では正確かつ簡潔かつ(できれば)読者の興を引くような紹介をせねばなりません。
  さて、以上で概括を終え、水城様の御作品に即した具体論を展開していきましょう。
  まず「主要登場人物が3人なので視点展開があまりなく、 一人称で展開して」いるのは理にかなった選択ではないでしょうか。と申しますのは、投稿先の出版社の社風や、頁数の制限にもよりますが、あまり視点を広げ過ぎると後々まとめるのが困難になるからです。
  主人公の設定云々については、さすがにどうこう申し上げることができません。ただ、「一人称にすると描写が少なく台詞が多い」のは、訓練で改善できます。今あなたの目の前にあるものを、それを全く知らない人に口伝えに説明するつもりで、文章で書きとめていくことです。地道な積み重ねは必ずやあなたの財産になるでありましょう。慣れれば道端を歩いているだけで周囲の風景を簡潔に描写できるようになります。
「台詞が説明的な台本みたいになる」とありますが、説明しなければならないものはしなければなりません。もちろん、無駄でだらだらした説明、さりげなくそれとなく読者に示すべきところに無神経で露骨な言葉をいちいち突き刺すような行為は厳に慎まねばなりません。要は御話にたいしてどの台詞がどう重用なのかを取捨選択し続けることではないでしょうか。かっこいい台詞、気の利いた台詞というのは、日常において無数に交わされる「有用だが味気ない台詞」という背景があって初めて出てくるもので、四六時中映画の決め台詞のような言葉で会話が成り立っているわけではありません。
「三人称にすると今度は同じような表現が多く」なるのは、これも訓練で改善されます。陳腐な例ですが、「彼は笑った」ではなく、「目の前の相手は、唇の端を歪めながら吊り上げた」とすれば、どんな感情が込められているのかが少しはわかります。観察、考察、そして観察、すべてはこの繰り返しです。by マスケッター


27:一番最初に

Q:
  皆様は物語などを書くときに、まず何を先に決めるのですか? 例えばキャラクターとか、名前などです。何を先に決めておいたほうが書きやすいのでしょう・・?


A:
  私は物語を書くとき、いつも「イメージ」が最初に決まります。これが書きやすいのかといわれるとわからないのですが、「こういうシーンを書きたい。」とか、「こんな町を舞台にしたい。」などです。けっこうその場で思いついたものをどんどん書いていくというタイプなので。by あずさ

A2
  ありていに申しまして、それは人によって千差万別、その人なりの方法があります。

 あくまでも私見ですので、「これが絶対」というわけではないのですが、ごく大雑把な分類としては、以下の四つが存在するものと考えられます。
1 主役を作る
2 その御話にとって一番重要な真相を作る
3 読者にもっとも訴えたいテーマを作る
4 1〜3を適当に組み合わせる
  4つ全部について均等に論じようとしたら、余白が幾らあっても足りません。ここでは、一番わかり易く、かつ妥当なものである1に論点を絞ります。
  さて、「主役を作る」という言葉には少なくとも二つか三つの意味があります。その中でまず率先して作られるのは、「どういう性格(または個性、あるいは価値観)をしているのか」ではないでしょうか。主役というのは、御話の中心になるわけですから、何らかの形で読者の興味を引かなければならないからです。大事なのは、読者にどう楽しんでもらうのかを意識することです。作品を書いた経験がなくとも、自分にとってどんな人が魅力的で仲良くしたいのかはある程度判断がつきますから、まずはその点から煮詰めるのが良いのではないでしょうか。少し漠然とし過ぎてわからないなら、「ある状況に対してどう振舞うか」を想像してみられてはいかがでしょうか。例えば、恋人が病気にかかっていて、早く見舞いに行きたいのに、道端で行き倒れになった人を見かけたら、その「主役」はどんな考えの元でどういう行動を取るのか? ものすごく陳腐な例ですが、そうした想像を積み重ねて行けば現実味と魅力の両方を備えたキャラクターが浮んでくるのではないでしょうか。
  第二位は「どんな外見なのか」または「どんな特技を持っているのか」あたりが来るでしょう。by マスケッター

A3
  わたしの場合はストーリーがまず先にやってきます。書き始めるときにはラストができていることが多いです。それからそれに合わせた登場人物が生まれてきます。名前はその子が登場するときにつけます。タイトルとネーミングの悪さには定評があります(涙)by 椎名かえる

A4:
  私の場合はだいたいどんな話にするのかが決まりその話にはどんなキャラが良いかを考える時とキャラの大まかな設定をして、その後そのキャラにあった話を考える場合の2パターンの始め方があります。しかし、話とキャラを組み合わせても支障がない場合は組み合わせるので厳密にはどちらが先ということははっきりと区別ができないことが多いです。by 学生


28:続・一人称と三人称

Q:
  SFファンタジーみたいな短編を半年前くらいに書いてました、完結してます。今少し書き直してます。
  ありきたりな設定なんですが、マザーというコンピューターが支配する近未来で人間がコンピューターに支配されるお話です。
  ファンタジー要素を絡めて【支配するもの】【支配されるもの】との対立と悲恋を絡めています。
  ……仕上がってるものの一人称ではじめ、最後が三人称で終わってしまっています。主人公視点ではじめたんですが、最後に主人公死んだ後を書いたので三人称でしか表現できなかったんです。
  それが少し不自然らしく、友達に【この描写省いたら?】といわれています。でもその最後が書きたくて書き始めたものなんです、だからどうしようか迷っています。省くか、それともラストを変えるか、三人称を不自然でないよう手直しするか……。


A1:
  そのラストが書きたくて書いたという作品でしたら、ラストを省くのは辛いですよね。主人公の死後は一歩引いた感じで、生き残ったものの目でその描写をしてみるという手もあるんじゃないかな。by 椎名かえる

A2:
  短編…なんですよね。ていうことは、ラストの主人公の死語のエピソードというのも、分量はそんなにないはず…そういうときは、「エピローグ」って、つけて(笑)、そこだけ文体を変えて書いちゃえばいいんですよ。そしたら、三人称になっても、違和感ありません。by 村山早紀


29:副主人公の扱い

Q:
  現在、第二次世界大戦を背景にした物語を考えています。舞台は中国大陸の旧「満州」で、そこに売られてきて様々な人々と出会い、最終的には中国人として生きていく選択をする日本人少女(途中で大人になりますが)が主人公です。当面は資料収集に追われているのですが、困っているのは「副主人公」的に作ってしまったもう一人の日本人女性の存在です。主人公の幼馴染で、「満州国」の開拓村に女教師として赴任し、戦後の混乱の中で主人公と再会して我が子を主人公に託して亡くなるという設定になっています。
  当初はこの副主人公の存在を通して残留孤児問題やシベリア抑留の問題なども絡めたいと思っていたのですが、主人公側の、国籍についての葛藤や彼女を取り巻く人間関係などを考えている内に、この副主人公の存在は蛇足のように思えてきたのです。主人公とのコントラストが不十分で、かえって主人公に配したテーマ(途中で生まれたのですが)が薄れてしまうような気がしてしまいまして…
  副主人公の存在及び彼女の周辺の人々をばっさり削ってしまうべきかどうか迷っています。私としては二人同時に思いついたので愛着があって困っているのですが。


A1:
  私の場合は、副主人公を削ってしまうでしょうね。こういうのは、大体、作家の勘が働くものだと思います。背中のあたりで、「あ、これはいらない人物とエピソードだ」と、脊椎が考えているんです(笑)。私も、良く、キャラクターの数は減らします。同じカテゴリーにわけられてしまうような類似のキャラがでてくるときとかね。今までの経験や、他の作家さんが書いた各種「小説の書き方」の本によっても、「登場人物の数は、少ない方がキャラが書き込めるし、読者の感動も深くなる」といえると思いますよ。by 村山早紀


30:短く納める技術

Q
  今、3枚ものに挑戦をしています。内容は、ファンタジー。でも、これが難しくて、難しくて。書いても書いても、物語の一部分を書いているみたいで、どうも、すきっと仕上がりません。どうやったら、3枚のものが、うまく書けるようになるんでしょう?登場人物もほとんど一人だし、出来事(材料)も欲張らずにひとつだし、意外性も心がけているのに。


A1:
  う〜ん。三枚とか、五枚は難しいですよねえ。とくに、ふだん長いものを書いている人ほど、難しいと思います。なんていうか、脳の使う部分が違うというか、手足の動かし方が違うというか。とにかく、短いのがかける人は、別種の才能を持っているんじゃないかと思いますね。でも、本職でやってると、たまにそういう短いのも依頼もくるので、なんとかひねりだしてますけどね(^^;)by 村山早紀

A2:
  ファンタジーではないにしても、ショートショートを数多く書いてきた経験から言うと登場人物が一人の3枚ネタというのは難しいと思います。僕の場合、一番多いのは二人ですね。もしくは三人。小説の素材には、それに合った枚数というものがあると思います。だから、うまく行かない時は――
  もしその題材が書きたいのならば、その枚数(この場合は3枚)がその題材に最適かどうかを考える。
  もし(応募や発表媒体の関係で)3枚の話が書きたいのなら、その題材がその枚数に最適かどうかを考える。
  という段階が、まずは必要だと思います。もちろん、「この題材をこの枚数で」と自分に課して書くことはいい勉強にはなると思いますが、出来た作品が自分の力を反映してくれるとは限りません。偉そうなことを言ってますが、あくまで一意見として。by 森江賢二

A3:
  3枚で完結する小説といえば、私は四コマ漫画を連想します。もしくは星新一氏のSFとか。まずオチというか面白い結末を考え出してから、後から肉付けを考えると簡単だと思いますね。by 山口プリン


31:上手い描写

Q:
  この間、自分の書いたものを読み返していて思ったのですが、私はその状況の描写と言うものが上手く書けないんです。友達にもいわれるのですが、そこがどういう状況なのかがわかりにくい文章になっているのです。どうしたら描写を上手く文章にして作品の中に取り込めるのでしょうか。


A1:
  他人の目になって、自分の書いたものを読み返すことができるといいんですが…。自分でいまいちだな、と思ってるってことは、それができてはいるんじゃないのかな? そしたら、なっとくいくまで書き直すしかないですね。
  よく、アマチュアの人は、原稿を一度書き上げたら、そこで完成にしてしまって、それきり手を入れない…ということがあるんですが、こと文章に関しては、なんどもなんども練り直すのが正しいんですよ。
  もちろん、何度も自分の文章を読み返しているのだと思いますが、もう一度、もっとさらに読み返して、手を入れる…そのくり返しの中で、いつか状況描写が上手になっていくのじゃないかしら?  by 村山早紀

A2:
  単純に申しまして、御話の本筋にどれぐらい積極的に係わるかが描写の取捨選択のポイントになるでしょう。
  それには、その場面場面で一体何を強調したいのかを把握しておく必要があります。一つ例を挙げますならば、仲間と一緒に湖へキャンプに行って、景色が見事なのを登場人物一同が絶賛しているのに、描写のくだりで一人一人の服装や所持品を細かく説明してもあまり意味がありません。
  量、と申しましょうか、会話文とのバランスも重要です。会話文と地の文(会話以外の部分)との割合が読み易さにどう影響するのか、どの割合においてはどんな言葉を組み合わせて行くのが良いのか、それらは御自分で研究されていく他ありません。
  あとは、文章における言葉の整理です。もっともこの点については村山先生が既に御説明しておいでですので、私があれこれつけ加える必要はないでしょう。
  簡潔な描写の手本としては、新聞を読むのも手です。社会情勢も知ることができて一石二鳥です。もっとも新聞というのは、出している会社によって同じ事実を違うように表現しますので、できれば複数の種類を読まれた方が良いでしょう。by マスケッター


32:文章の骨組み

Q:
  テストに追い駆けられる最近ですが、やっぱり小説が書きたい気持ちを押さえきれず、小さなメモに物語のあらすじを考えてみたりする今日この頃です。お話自体は、思いつける時が多いのです。しかし、どうも書き出してみると終わりまで続きません。最近になって大まかな話の筋(作文で言うならば魚の骨)を立てていないことが原因だと気付きました。しかし…魚の骨、ってどうやって考えてみたらいいのでしょうか。未熟なもので、あまり分からないのです。


A1:
  私の家庭では魚の小骨は噛み砕いて飲み込むよう教育されました。おかげで私の骨と歯はまことに頑丈になりました。いや、そんなことはどうでもよろしゅうございました。 
  まぁ具体的な創作技術は手近な本屋でもいろいろ本として売られていますし、ある意味では素人がどうこう述べることではないのかも知れません。
  ただ、敢えて愚見を述べると、以下の流れが一例になりますまいか(※あくまでもただの例で、絶対というわけではありません)。この例は冒険小説やアクション映画などから私が愚考したものです。
1.冒頭に興味深い事件を起こす。この時主人公またはそれに近い登場人物と話の鍵になる存在を登場させる。鍵は、これから終わりまでずっと話の中心となるものでなければならない。
2.1で起きた事件の結果が、誰にどういう影響を与えたのかを示す。もちろん、重要で取上げるに値するものだけを示す。もしあるなら、悪役や敵役の策謀も進行しているのをちらっとだけ見せる。
3.謎解きや解決にどんな手掛かりが必要なのかを読者に次第にはっきりさせる(一気にそうする必要はない)。主人公たちは少しずつ手掛かりを得て、解決のための目途をつけかける。
4.ある種の挫折や失敗が主人公たちを襲う。話の谷間が現れる。主人公たちは一致団結してピンチにあたるかもしれないし、喧嘩して仲間割れするかもしれない。
5.様々な訓練や思索の末、主人公たちは成長し、話を仕切りなおして再出発する。しかし、敵役たちもこの間に主人公たちより決定的ではないにせよ有利な位置にいる。
6.話が大詰めを迎え、主人公が目的を果たすために最後の大立ち回りをする。
  ざっと以上のごときを、骨組の一例として愚考しました。もちろん、実際にはもっと細かく考える必要があるでしょうし、ジャンルによってはまったく役に立たない事もあります。by マスケッター

A2:
  いつも書くことですが、「最後まで仕上げる」(まんまだけど)ことにつきますねえ。自分が飽きても、嫌になっても、絶対に一つの作品を仕上げるまでは、次の作品を書かない。
  これを続けていれば、「仕上げること」がくせになりますから。最初のうちは辛いでしょうが、なんとかのりきってください。新しく浮かんだ作品のほうは、メモして残しておいて、次に書いてください。がんばってね〜☆by 村山早紀


33:物語をまとめるこつ

Q:
  物語をうまくまとめるこつはないのでしょうか? 私はいつもなぜだか最後でどうやったらいいのか分からなくなってしまうからです。


A1:
「まとめる」って、おはなしをうまくおわらせること、ってことかな? それとも、「おはなしをおはなしのかたちにする」ことかな?
  でも、どちらにしても、「これからたくさんかいていけば、いつかできるようになりますよ」としかいえないかなあ…by 村山早紀


34:敵を倒す描写

Q:
  私は今、ファンタジーの物語を書いています。でも、肝心の敵を倒すところが上手く書けないんです。考えている物はあるのですが、既成作家さんの物と同じようになる気がして、書くかどうか迷ってるんです。


A1:
  ひとまず書いてみてはいかがでしょうか? 私もよくそういうことあります。で、私は自分の考えたとおりに書いてみて、それから自分でまた通して呼んでみています。そうしたら、結構自分の話になっていたり、なっていなくても、ここをこうすれば!
  というところが見えてくるかもしれないですし・・・
by 真葛

A2:
「倒す」という行為には当然「倒される」という結果がついてきます。倒されて愉快な気分になるとは考えにくいです。普通はその逆です。つまり、「いかにして敵を倒すか」という発想は、「いかにして敵に倒され、どのような損失を受けるか」という発想と背中合わせであります。挑戦する方にしても受ける方にしても同じことが言えます。
  ここで軸になる言葉は、「痛み」ではありますまいか。倒そうとする側、倒される側、さらには筆者と読者、それぞれの「痛み」が違和感なく調合されれば、正確かつ味わい深い情景が創りあげられるはずです。
  少々抽象的な表現になりましたが、では「痛み」を具体的に掴むのはどうすれば良いのか。
  あなたは調理中に刃物で指を切った事がありますか?
  私は年に二、三回やってしまいます。日常生活には無数の「痛み」が転がっています。むろん、だからといって、何も刃物で御自分を傷つけねばならぬなどと申し上げているのでは一切ありません。念の為。ただ、一生の内に全く苦痛を感じずにすむ人間というのはまずいないでしょう。誰しもその人なりの痛みを抱えているものです。逆に申しますと、「敵を倒す」という行為の中には、筆者自らの抱えている痛みを吐き出す作用があるのです。それは本人だけが自由自在に脚色したり演出したりできるものであり、決して他者が真似できる、又は他者に似るものではありません。
  まずは御自分の味わった、又は味わう可能性のある痛みを心の中で数えあげ、そこから登場人物の心理を推定していくというのはいかがでしょうか。
  この他に、戦闘シーンなどでの体の動き、武器や防具の使われ方などについても考察したいところですが、余白が尽きてしまいました。by マスケッター


35:台詞の圧縮

Q:
  今書いているファンタジー小説で16歳なんですが(みかけは)呪いで数百年? 生きている少年を主人公にして一つお話を書き上げました。
  短編…なんですが、その台詞の中で、
【人を信じなければ裏切られることは無い、そう人を最初から信じなければいいんだよ、そうすれば心が傷つくこともない、そうだよ、愛さなければいい、そうすれば心に嘆きが生まれることはない、最初から、人を愛さなければ裏切られることはないよ】
  というものがあるんですが…ちょっと長いかな? と思うのです、似たような表現を重複しているな? と思うのですが、これが結構メインの台詞、なんですよね。もう少しコンパクトにすれば、印象付けられるとおもうけどなぁ? と友達に言われて考え直しているのですが、うまくいかないのです…どうすればよいのでしょうか?


A1:
【信じなければ裏切られることは無い。心が傷つくこともない。そうだよ、愛さなければいいんだ。愛さなければ、心に嘆きが生まれることはない。最初から、人を愛さなければ裏切られることはないんだ。】ってふうに、わたしなら削るかなあ? ちょっと前後がわからないので、ルカさんの目から見て違和感があったらごめんなさいね。
  お友だちのアドバイスは正しいと思います。少しでも、言葉は省いた方が、いい作品になります。とくに、短編の場合はね。上の短縮ver.のせりふでも、ほんとは、短編なら、まだまだ縮めてもいいかもしれない。by 村山早紀

A2:
  まずは要約バージョン。
【信じなければ、裏切られることは無い。愛さなければ嘆くこともない。そうだ。はじめから、誰も愛さなければ裏切られることもないんだよ】てな感じでしょうか。僕なら、そこまでの状況で伏線を張った上で、
【はじめから誰も信じなければ、裏切られることもないんだよ】
  主人公にそう呟かせるかもしれません。台詞を短くするコツは、台詞以外のところで台詞の内容を語ることだと思います。台詞はいいたいことを直接言葉にしてしまっているので、伝わりやすい反面、空々しくなったり、くどくなったりします。むしろ、言葉にはせずにそのテーマというかキーワードを伝えることが出来たら……というのは、いろいろな意味で自戒をこめて、です。
  これは一例ですが、Aが常に「人は裏切るぞ」と主張していて、Bがそれに反発していたとします。そして、ある時、Bが信じていた人に裏切られたとします。その時、Aがフッと笑って、一言。
「だからいっただろ。はじめから信じなければいいんだ」
  これなら、「裏切る」という言葉を使わずに、「信じなければ裏切られない」というテーマを伝えていることになります。by 森江賢二


36:ファンタジーとメルヘン?

Q:

  童話の世界に足の指先を少し踏み出し始めた私なので、童話の創作に関する本をいくつか読みました。それらの本では、
  ファンタジー=本当のようなうその話。
  メルヘン=まったくうその話。
  となっているのですが、いまいち実感が湧いてきません。
  例えば「UFO」や「霊魂」は、あると信じる人もいればまったくの虚実と決め付ける人もいますよね。だから、どこまでがメルヘンで、どこからがファンタジーなのかわからなくなってしまいます。どう思いますか?


A1:
  たとえば、「しゃべる動物」がでてくる話があったとしますね。
  それを違和感なしに、主人公が会話してたら、メルヘンです。主人公が、「どうして犬がしゃべるんだろう」と思ったり、犬がしゃべることに「魔法」とか「呪い」とかいう理由があったら、ファンタジーになります。「バイオの力で生まれた知能が高い犬」とか「宇宙からきた犬」という設定なら、SFになり、「犬の幽霊」だと、ファンタジーになったりホラーになったりします。
  メルヘンとファンタジーは、なかなか区別が付きにくいです。でも一言でいって、物語の中でおこる「ふしぎな出来事」や「かわった設定」になんらかのリアルな理由がついていたら、ファンタジーになるんです。
  ある意味、メルヘンは、民話に近いです。民話の世界だと、どんな怪異がおきても誰もおかしく思わないでしょう? by 村山早紀


37:題名の付け方

Q:
  今書いている物語がもうすぐ出来上がるんですが、良い題名が思いつかないのです。いろいろ考えてみたのですが、ピッタリ物語と合わないんです。みなさんは題名とかってどうやって決めますか? 良い方法とかありましたら、教えて下さい。


A1:
  わたしの場合は、大体最初にタイトルを決めてから書くので、あんまりそのへんはなやまないんですが…。あとからつけるときは、章タイトルを付けるなんてこともやるかもしれませんね。
  あとは、小道具かな? お話の中で重要なアイテムがでてきていたら、それをタイトルにする。二つあればなおグッドです。主人公の名前をくっつけるという手もある。
  たとえば…主人公がナナちゃんで、魔法の王冠が出てくる話だとしたら。「ナナと魔法の王冠」ほら、なんとなくタイトルっぽいでしょう? そのお話にしゃべる犬がでてくるとしたら、「魔法の王冠とふしぎな犬」おもしろそうじゃないですか? 舞台を出してしまうという手もあります。たとえば、「ナナと湖の冒険」こんな感じ。
  タイトルの付け方には、物語の中で使われている大切なせりふを一部使っちゃう、という手もありますね。たとえば、物語中であるキャラクターが、「自分なんて泳げない魚みたいなものだ。水の中にいても陸にいても息苦しい」みたいなことをいうとしたら、「泳げない魚が歌う歌」とかね。
  季節をいれる、という手もあります。「春の王冠」とか、なんかいい感じでしょう?by 村山早紀

A2:
  普通書くのか知らないから分かんないんだけど、目次って書いてるんですか? そしたらその題名をかけば。それか、自分が一番伝えたいものの名前。それかそのお話のテーマ。かな?by 咲紀

A3:
  私もよくその方法を使います。後、同じことかもしれないですが、テーマを決めておけばいいと思います。そうすれば、それにまつわる題名は考えやすいと思います。
  もう一つあるのです。物語をまず終わらせて(書き終わらせるということです!)見てください。きっと、それに似合った題名が思いつくと思います。
  今、紹介(?)した物は、オリジナルなので効果があるかな?と思いますが・・・。頑張ってください☆by しょこら


38:長い話と短い話

Q:
  実は、今 書いている話があるんですが1つ1つがとても短いのです。短いと分かっていても大きな題名を決めると話がほんのちょっとでもずれてはいけない気がするのです。ですから、とても短くて終わってしまうのですが長〜く書くにはやっぱり書き続けるしかないのでしょうか?もし、違う方法があるのでしたら教えてください。
  それと、大きな題名(物語の題名じゃないです)を決めて、書いたら話はずれてはいけないのですか?


A1:
  大きな題名って、「章のタイトル」のことかな?
  ええっとね。章のタイトルも、それから原稿のタイトルも、書き上げてから、考え直してもいいんですよ。物語にあった言葉を使った方がいいですし、タイトルにひっぱられて、じゆうな話がかけないとかえってこまってしまいますからね。
  長く書くには…。ううむ。小学生のうちは、どうしても、長い長いお話を書くのはむずかしいと思います。そのうちかけるようになると思いますから、いまはみじかい話でもいいから、いっぱいかいていてくださいね。by 村山早紀

A2:
  御話の良し悪しは、長さとは関係ありません。だらだら長いばかりでちっとも楽しくない御話より、短くとも読者を感動させる御話の方がずっと素晴らしいのです。私は十二年前、400文字以内の小説を書いた事があります。確か380文字ほどでしたが、ある同人誌に投稿して、それなりの評価を頂戴しました。
  ……私のごときが申し上げるのも何ですが、ここは一つ、単純な事実を単純に文章で書き現すところから始められてはいかがでしょうか。例えば、今あなたはパソコンの画面を見ているはずですが、「今、自分はパソコンでインターネットをしている」と、まず書くのです。そこから少しずつ肉づけして、「今日はいろいろなことがあったけど、どんな事があっても、しめくくりは必ずこのサイトで投稿しないと眠れない」とか、「いざ画面に向かって見ると、一度にいろいろな事が思い浮かんで、なかなか文章にならない」とか、その時感じた事を素直な気持ちで現して行けば、自然に御話は出来て行くと思います。少なくとも文章の訓練になるでしょう。by マスケッター


39:何に書く?

Q:
  皆さんは物語を書くとき、何を使っていらっしゃいますか?
  わたしは、最初は大学ノートを使っていましたが、いまは原稿用紙に書いています(投稿するつもりの作品なので・・・)。
  たまにパソコンも使います。


A1:
  物語を書く時は、わたしは下書きから(というかメモの段階から)パソコンです。一太郎という有名なソフトで書いています。
  手書きだと、清書しなくてはならなくなるので、そのための時間がもったいないので、最初からいきなりパソコンで打ってます。by 村山早紀


40:会話文の最後に

Q:
  原稿用紙の使い方で、わからないところがあるのですが・・・。皆さんは、せりふの部分の終わらせ方を、どうなさっていらっしゃいますか?
  つまり、〜」 で終わるか、〜。」 で終わるか、ということです。わたしは、〜。」を使います。そのとき、せりふがマスのいちばん下まで来てしまった場合、どうするのが正しいのでしょう? 〜」 なら、そのままマス目の下に入れてしまえるのですが・・・。


A1:
  いらないんですよ〜。台詞の最後の「。」は。もっとも、「。」をつけるのもまちがいじゃないんですが。by 村山早紀


41:物語が繋がらない

Q:
  私、長篇もののファンタジィー小説を創作しているのですが、物語の最初と、最後が決まっても、まん中が決まらなくって、物語を繋ごうにも矛盾が生じたりして、上手くいかないんです。
  皆さんはそういう事ありませんか?そんなときは、どうしていますか?もし、良かったら教えて下さい。


A1:
  わたしは、最初にぼや〜っとした、漠然としたイメージが浮かんできて、それがだんだん形になって・・・というプロセスが多いです。
  わたしもいま、長編のファンタジーを書いていて、頭をひねっているところです・・・。そこで、わたしもやっぱり、先が決まっても、そこまでうまくつながらない・・・というようなことがあります。
  そんなとき、わたしは絵を描いてみます。キャラクターの顔だけでも、「その世界」の風景画でも。らくがきでもいいし、じっくり描きこんでもいいです。そうすると、「あっ、こうだったのか・・・」というふうに、イメージが固まってきたりしますよ。
  絵じゃなくても、文字でもいいです。「自動記述」ふうに、思いつくことをだーっと書いていくんです。つまらないことでも、物語には直接関係ないようなことでも・・・。
  わたしのやっているイメージ固めの方法は、こんな感じです。by 雨子

A2:
  大有りです! というか、僕の場合はキャラクター・ワンシーンだけ思い浮かぶこともあります。僕の場合は、思い付いたシーンを先に書いちゃいます。by 蒼海狼


42:長編が書けない!

Q:
  悩みがあります。僕、短編しか書けないんです。長編を書きたいとは思っているし、書き始めてもいるんですけれど、なぜか集中力が続かないんです。
  だから、休んじゃあ書いて、休んじゃあ書いての繰り返しで・・・。未だに書き上がらないんです。小説を書くのに向いてないんでしょうか?


A1:
>僕、短編しか書けないんです。長編を書きたいとは思っているし、書き始めてもいるんですけれど、なぜか集中力が続かないんです。
  とおxっしゃいましたけれど、私もかれこれ45年間ずっと同じ題の物語を書いていますが、途中で思い付いて、書いた同じ世界や、違う世界の物語もいつのまにか繋がっていって、長編ものになってしまったのです。それなのにまだ終わっていないんです。..物語の空間が開いてしまって...
  だから、同じ世界設定の登場人物の短編を集めて、あの人とこの人の過去は、こう繋がって、後の方でこうなって...。とかやってると長編になりますよ。
  これは、集中力が無くても、思いつきで出来ます。ただ、...その後作業で先はどの様になってしまっていたんです...。たいしたアドバイスにならないかもしれませんが、私は、こうしています。by 晃野 鷹

A2:
  わたしも、そういうことありますよ。早く先へ進みたいのに、いつまでたっても・・・って。でも、いまはまだ、それでもいいのではないでしょうか。わたしの好きな本には、何年もかかって(5年6年7年とか!)書かれたものが多いです。それに、イメージを10年以上もあたためつづけて、やっと作品になった、なんてお話も聞きます。長い時間をかけて、やっと光りだすものってあると思うのです。
  それに、まだ物語を書くことにも「学生」ですから、じっくり腕を磨いてゆけばいいのではないでしょうか(お互いに)。わたしも、1年くらい放っておいて、ふと思い出して書いてみると形になった、なんてことがありましたから・・・。(本業の作家さんになったら、そんなこと言っていられないかもしれませんが・・・)
>小説を書くのに向いてないんでしょうか?
  それを決めてしまうには、まだまだお若いと思います。あせらないで、自分の中の<芽>を探してみてはどうでしょう? じっくりと。またまたこれも、お互いに、ですが(^^)by 雨子

A3:
  私も、集中力は、続きません。もし、その短編は、書けるんだったら、その短編のお話の人物を入れて、短編で続き続き続き、とやっていったらどうでしょうか? そうすれば、いろんなことを思いついても、1つ1つお話にしてけば、いいのかもしれないと、思います。もし、その短編の物語を、続けて長い文章にするんだったら、あとからつないでいったらどうでしょうか? でも、他にも良い方法があると思うので。by 咲紀


43:フォントと用紙

Q:
  私は今、コンクールに出そうと思って、パソコンで書いています。ちょっと気になったのですが、A4の紙で10,5の文字の大きさで書くと、40ページはどのくらい作文用紙で使うのでしょうか? コンクールの規則上200枚以上は駄目です。そして、多すぎた場合、削って出す方がいいのですか? 新しいのを書いて出した方がいいのでしょうか?


A1:
  コンクール用の作品を書かれているのですね? 10.5というのは文字のポイント数でしょうか。 だとすると小さくなりませんか? 私の場合は、A4の白紙に12〜13ポイントで打ち込むようにしています。応募のしかたに、20×20字など指定があるのでそれにあわせれば原稿用紙の枚数になると思いますよ。
>コンクールの規則上200枚以上は駄目です。そして、多すぎた場合、削って出す方がいいのですか?
  そうですね。規則がそうなっているのでしたら、200枚以内におさめなくてはなりませんね。新しく書き直す前に、今、書かれている作品を見直しするといいと思いますよ。by 杏実

A2:
  とりあえず、お父さんかお母さんに相談して、ワープロソフト(ワードか、一太郎だと思うけど。それともエディタを使っていますか?)「書式」というところの「設定」を、20×20にしてもらってください。そうしたら、四百字詰め原稿用紙と同じになりますから。by 村山早紀


44:自然な文章

Q:
  お聞きしたいのですが、私は表現力に乏しいというか、例えば戦いの場面になると同じ単語や形容詞を多くつかってしまいます。ごまかすのに表現にこりすぎて堅苦しすぎる文章になってしまったりとうまくいきません。

 自然な文章を書くにはどうすればよいでしょうか?

A1:
  えーと、私もあまり戦いの場面は自然な感じではありません(笑)。でも、想像力をかきたてるには、本を読んだり、景色を見たり・・・・といろんな経験が必要なのではないでしょうか? いろいろな本を読めば、書き方が分かりますし、景色を見て文章に表してみれば訓練になると思います。by トトロ

A2:
  そういう場合はよく使う単語を辞書で引いて類語や他の言い回しを覚える、というのはどうでしょうか? 自分は辞書好きで意味もなく、辞書を読みふけったりしています。すると、おもしろい・すてきな言葉とかに出会えるんですよ。by 蒼海狼

A3:
  わたしも、辞書を活用されることをお勧めします。厚めの類語辞典を手元に置いておくと、役に立ちます。それから、書いた文章を音読してみることもお勧めです。声に出してみると、違和感のあるところがはっきりわかると思いますよ。
  他の人に読んでもらうのも効果的だと思いますが、自分はまだそこまで行きつけていません(^^;)by 雨子

A4:
  さて、御悩みの件ですが、何を隠そう私もしばしばぶつかっています。
  皆様各々の御意見まことにごもっともであります。景色からヒントを得るのはよく使う手ですし、類語辞典は私も所持しております。
  ところで、私の意見としては「登場人物の存在または心理がからんだ場面での描写」なのか「純粋に情景をとらえた描写」なのかでまず別れます。両者とも同じくらい重要ですが、まず前者について述べましょう。
  まず、登場人物の詳細を把握しなおしましょう。その上で、表現を考えて書くというより人物を生かして書くことを中心に据えてはいかがでしょう。もっとも、ではどう書けば「人物を生かして」書けるのかは非常に漠然としています。とにかく人物が持っている目的意識や欲求あるいはそれらの解決の仕方を明確にするよう、また読者に伝わるようつきつめていかねばなりません。
  後者については、「簡にして要を得ること」、「まず正確に描写すること」の二点を基本とします。本筋と無関係な上に矛盾した文章をだらだら書いても意味がありません。その上で表現の方法を選択するのですが、一つの方法として「五感を使いこなす」というものがあります。例えば、耳は聞くために目は見るために存在しますが、「音を視覚として考えたらどう書くか」、「物を聴覚として考えたらどう書くか」などいろいろ工夫のしようが出てくるでしょう。むろん、文章技法は本来作家が独自に開発するものですし、上述したのはほんのごく一例に過ぎません。by マスケッター

A5:
  みなさんがおっしゃっている、類語辞典、これはいいですね。私もよく使います。で、お悩みの件ですが、私もそうなんですよ。つい、いつもにたような言い回しになっちゃうの。
  でも、第一稿ではあえてそのままにしておいて、書き直すときに、文章に手を入れたりしています。その原稿を初めて書き上げた段階で、パーフェクトに書き上げるなんてこと、難しいですよ。
  開き直って、「あとで書き直すからいいわ」とおもっちゃってください。by 村山早紀


45:題名の付け方・その二

Q:

  ちょっと壁にぶつかったのです。それは、題名。例えば、「魔界の扉」とタイトルを付けます。次の日には、次のいい名前を思い浮かべてしまうのです。そして、最終的にはどんなタイトルにするか、どんな名前が良かったのかわからなくなってしまうのです。キャラクターの名前や、町や村の名前もそんな感じです。この壁を解消するためには、どういう風に「タイトル」や「名前」を決めればいいのですか?


A1:
>次の日には、次のいい名前を思い浮かべてしまうのです。そして、最終的にはどんなタイトルにするか、どんな名前が良かったのかわからなくなってしまうのです。キャラクターの名前や、町や村の名前もそんな感じです。
  と、おしゃっていましたが、とりあえず方の力を抜いて、思い付かなくなるまでノート等にそれらを書いてみて、違う物語の題名(題名のイメージを客観的に見たショートストーリーに...)してしまうとか、主な登場人物以外の名前として使うとかしてみるのもいかがですか?それか、一番ユニークなのを、主人公等のあだ名や、ミドルネームにしておくとか...
  それと、私も、一つの物語に、題名が付き過ぎている物があったので、それは、物語が完成してから、ネタバレにならない程度にイメージしやすく、なおかつ、しっくりする物を選んだり添削(てんさく)してつなげたりしようとしています。by 晃野 鷹

A2:
  私はそのキャラクターの本質に一番近い言葉やそれをもじったりしてつけています。名は体を表すですからね。たとえば、好奇心旺盛だからアリス(不思議の国のアリスから)とか、いつも一人でさびしい人だからロネリア(lonelyから)とか・・・。題名についてはキーになる言葉をダイレクトにつけています。by SKY

A3:
  自分も「タイトル」・「名前」を決めるのは、苦手ですが、「タイトル」は全部書き出してみて、自分が一番読んでみたい、と思うものをつけます。「名前」は言ってみて、言いやすい・キャラクターが返事をしそうなものをつけます。by 蒼海狼

A4:
  どんな小説の創作本にも必ず記載されているはずですが、タイトルというのは作品の顔であり、一番訴えたい事を煮詰めてあるものです。逆に言えば、その作品の中心になっている物事や人物にちなんでつけるのが多いです。むろん、文章技法に「絶対」はありませんし、意表をついたりわざと意味をずらしたりするやり方もないわけではありません。しかし、これらはある程度作品を書き溜めてからの方がよろしいでしょう。
  次に、登場人物の名前ですが、まず作品の世界や雰囲気を固めてから考えた方がいいでしょう。江戸時代の日本で侍の名前が横文字ばかりというのはまずありえませんし(そういうキャラクターがいない、いてはならないという訳ではありません)、逆に西洋風のファンタジーなのに漢字の名前しか出てこないというのも少しおかしいです。
  また、御話へのかかわり方もからんできます。たとえば、主人公の名前はつづりを入れ替えると秘密の呪文になるとか、特別な羊皮紙の上に特別なインクでヒロインの名前と合体させると強力なアイテムを召還できるとか、工夫次第で広がりを持たせる事も可能でしょう。
  いずれにしても、「ファンタジーらしい」名前というのはなかなか掴みどころがありません。最初の内は、本人の雰囲気を損ないさえしなければ構わないものと考えられます。by マスケッター


46:類語辞典?

Q:
「類語辞典」というのはどういうときに、使う物なのでしょうか?


A1:
  類語辞典の使い方ですが、これはほんとうに便利なアイテムなのです。たとえば、一本の木のことを書きたかったとします。「大きな木」という表現が浮かんできたけれど、これじゃ、あまり気に入らない…というとき、類語辞典を開いてみます。
  すると、「大きい」という項目にたくさんの類語がのっていて、「巨大な木」とか「見上げるような木」とか、いろんな表現を見つけることができるのです。手もとに置いておくと、ほんとうに便利ですよ(^^)by 雨子


47:理解して貰うための文章

Q:
  相談というのは『独り善がりな表現になることが多い』ということです。つまり自分はわかっている。でも読者はわからない、という感じです。頭の中のものを文章にする力が薄い、と本人は認識してます。
  本文自体を読んでもらうとわかると思うのですが、それもできませんので…文章で説明させてもらいます。
  設定自体をたて、文章にして表現する。しかしその設定、世界観自体を読者に理解してもらえない、作者は何とか説明してわかってもらえるだろう、と思って描写をしているのだが…それも無駄という感じです。
  その設定自体がわかってもらえない、『自分自身の文章に酔いすぎていて、読者のことを考えていない』と思います。語彙力不足、設定不足、描写不足、などがあげられるでしょう…。
  描写不足、補うために今頑張っていますが、描写自体の不足、これを何とか治す良い方法はないでしょうか? いれているつもりでも、だらだらとした描写になり、あまり上手な説明ではないようです。ファンタジーや幻想、呪術系を書くことが多いので、設定をわかってもらえないのは痛いんです。


A1:
  私も同じことで悩んでいます。
  治す方法までは行かないけれど、私は、ラフスケッチのようにちょっと書いてからやる事にしています。そうして、類語辞典などを使って書くという感じで私は進めています。
  それと、設定はすごく裏の事まで考えて、小説の長さと、その設定をあわせて、書く。そして、文章にもそれとなく主人公の性格が表れるようにしてみると、描写不足はなくなるのではないでしょうか。by シープ

A2:
  結論として、周囲に読んで下さる方がおいででしょうから、そうした人々の御意見をもとに調節していく他はありません。
  ……とは申しますものの、創作する段階でできる限り万全の作品を書かねばならないのはむろんの事でもあります。
  とりあえず、御質問の文章を拝読している限りでは、(失礼な言い草で恐縮ながら)筋道だてて訴えたい事が書ける方と存じます。ただ、作品において文章や設定が焼きついてしまうのはその世界がどこか現実味がないからではないでしょうか。
  現実味、と申しますのは何も数字を羅列したデータや難解なシステムを指しているのではありません。その設定がその世界で暮らしている人々にどんな影響を及ぼしているのか、それを把握しておく必要があるでしょう。例えば、魔法使いが一般の人々に比べてほんの数十万分の一しかいないという実情を説明するのでしたら、ただ言葉で述べるのも良いのですが、魔法用具を扱う店が大都市以外に存在しない(それもほんの一、二軒しかない)のを登場人物の会話なり心理描写なりで述べさせた方がよりいきいきとするはずです。魔法を使った時の一般人の反応で語らせてもかまいません。つまるところ、設定というのはそこで生きている人々に何らかの影響を及ぼすものでありましょう。by マスケッター

A3:
  異世界ファンタジーといえば、『指輪物語』がまず金字塔として挙げられます。

完全な第二の世界です。あと、日本の方が書かれたものでは、向山貴彦さんの『童話物語』があります。その世界の食べもの、貨幣の単位、宗教、距離の単位、時間の測り方など、細かく決められていて、読者はその世界のにおいを感じることができます。
  そういったものをつくるために、わたしはいま、とにかくいろんな本を読んで、その世界の絵を描いて、雰囲気を固めてゆくようにがんばっています。
  読者にわかるように表現するには…わたしは、書いたものを身近な人に読んでもらっています。そして、アドバイスをもらうのです。
  それ以外の方法は、いったん書いて、しばらくそのまま、物語を「寝かせて」おくのです。そのあいだに別のものを書いたり、本を読んだり…物語を寝かせるというより、自分の中の「パン種」を寝かせるのですね。そして、しばらくして読み返してみると、ああ、ここがおかしかった、こうしたほうがいい…と、客観的に、そして前よりも知識を得て、書き直すことができます。自分の中の「イースト菌」が、よい具合に醗酵するのを待つのです。すると、物語の味がよくなると思います。by 雨子


48:表現を豊かにするために

Q:
1.どうしたら表現の仕方や文章の書き方が豊かになるのか?
2.小学生でできることは何か?


A1:
(1)文章を書きながら、何度も失敗し、たくさんの経験(けいけん)をし、自然や、周りの人から色々学ぶ。または、上手い人のをマネして練習する。何度も添削する。
(2)子供料金で乗り物に乗る、娯楽を楽しむ。親におもいっきり甘える。by 晃野 鷹

A2:
>1.どうしたら表現の仕方や文章の書き方が豊かになるのか?
  つきなみですが、本をたくさん読むこと。実際に手紙や日記をたくさん書くこと。あなたが目で見て感動したものを、手紙で誰かに伝えてみてください。あなたの文を読んで、あなたの見た映像が浮かぶように書いてみてください。
2.小学生でできることは何か?
  あきらめないこと。続けていくこと。でも先ばっかりを見過ぎないで、今をうんと楽しむこと。今をたっぷり吸収しておくと後で大きな栄養になります。書くことに関しても、それ以外のことでも。by 椎名かえる

A3:
1.表現力をつけるには?
・椎名かえるさんと同じですが、本をたくさん読むこと。できれば、新聞も読むと良い。「びみょ〜」と言う表現を使わないで話をするだけでも 表現がぐっと豊かになるはずです。
・何かに感動したら「きれい!!」「すごい!!」で終わらせずに、どうきれいなのか、どうすごいなのか、考える習慣をつける。
2.小学生にできること
・ともだちとたくさん遊ぶこと。
・自分の気持ちをきちんと話す習慣をつけること。おとうさんやおかあさん、学校の先生やともだち、いろんな人間関係の中で、腹がたったり悔しかったり そういう出来事がたくさんあるでしょう? そういうときに「なんとなくむかつくぅ!!」で終わらせずに、何がいやだったのか、自分はどうしたいのか、それをきちんと考えて、ことばにして相手にぶつけてみましょう。by

A4:
1.表現力をつけるには?
  僕も、皆さまと同じ答えなのですが、とにかくたくさん本を読むことだと思います。たまには、ちょっと難しめな本なども、良いと思います。(中学生・高校生向けの本など)。それと、日記をつけるのもいい方法だと思いますよ。
2.小学生にできること
  いろんな経験をすることだと思います。嬉しかったことや、悲しかったことなど、いろんな経験をたくさんすれば、きっと文章を書くときも、リアルさがでてくる、と僕は思ってます。by 風麒


49:あらすじの書き方

Q:
  よく、作品を出すとき「あらすじを〜」とありますけど、その「あらすじ」とは、どこまで書けばいいのでしょうか? 最初から最後までの話を書けばいいのか、それとも、途中までの話しを書けばいいのか、よく分かりません。


A1:
  あらすじは、そうですね。ふつうは全部書くかな? お話の終わりまで。
  若干、横道にそれたアドバイスを+すると…映画の予告編みたいなノリで書くと受けがいいですよ。もう、この話は面白いんだ!ということを、前面に押し出した、かっこいいあらすじ。本人が書きながら照れてしまうくらいでいいんです。
  なぜなら。あらすじをまず読んで、それでだいたいの当落を決めちゃう選考委員とかもいるからです。CMのつもりで、いいものを書きましょう。by 村山早紀


50:「だ。である」と「です。ます」

Q:
  物語には「〜です。〜ます。」調と「〜だ。〜した。」調(?)がありますよね。それはその時の雰囲気で使い分ければよいのでしょうか?もしよければ教えていただけないかと思い、投稿させて頂きました。


A1:
  基本的に、公の文章は敬語を使わずに書きます。ただし、誰かに呼びかける文章、たとえば町内会で地区の一斉清掃を行うのを知らせる時などは敬語にします。
  ここで大事なのは、敬語を使うなら敬語、そうでなければそうでないように、どちらかの方式で通すことです。小説の会話場面では登場人物がその場なり相手との関係なりで敬語を使ったり使わなかったりしますが、地の文では必ず統一されています。
  では、どういう場合に敬語を使うのか。それは「どんな人に読んでもらうか」につきます。児童文学ではしばしば、子供が読みやすいよう優しく丁寧に語り掛ける形になっています。それに、普通の「である」調だと少しいかめしくて怖いと思われる恐れがあります。しかし逆に、大人が普通読むような小説にはあまり「ですます」調は使われません。そちらの理由については今は述べません。by マスケッター


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